共有者に独占されている・家賃をもらえない場合の対処法|使用料請求の方法を解説

CATEGORY — 共有者トラブル

共有者に独占されている・家賃をもらえない場合の対処法

使わせてもらえないのに、あなたにも権利はあります

共有名義の不動産に、共有者の一人だけが住み続けている。あるいは共有者が勝手に賃貸に出して、家賃を独り占めしている——こうした状況は、共有不動産のトラブルの中でも特によく相談される内容の一つです。「自分にも権利があるはずなのに、何ももらえていない」というモヤモヤを抱えたまま、何年も放置してしまっている方も少なくありません。特に親の介護をきっかけに同居していた兄弟がそのまま住み続けているケースなど、感情的な事情が絡むと、余計に言い出しにくくなりがちです。この記事では、法律上どう扱われるのか、請求する方法、それでも解決しない場合の選択肢までを解説します。

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よくあるケース

  • 相続で共有名義になった実家に、共有者の一人(多くは同居していた親族)だけが住み続けている
  • 共有名義のマンションを、共有者の一人が第三者に賃貸に出し、家賃を自分の口座で受け取っている
  • 「そのうち清算する」と言われたまま、何年も精算が行われていない
  • そもそも共有者に持分があることを軽視され、話し合いにすら応じてもらえない

いずれのケースも、「使っている側」と「使えていない側」の間に不公平感が生まれ、関係がこじれる典型的なパターンです。

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法律上、どう扱われるのか

共有持分を持つ人は、本来、持分割合に応じて共有物の全体を使用する権利があります。しかし共有者の一人が単独で住んでいる、あるいは賃貸に出して収益を得ている場合、他の共有者はその利用によって得られたはずの利益(使用料相当額)を請求する権利を持ちます。この考え方は、共有者の誰か一人だけが不動産を独占的に利用することで、他の共有者が本来得られるはずだった利益を失っている、という不公平を是正するためのものです。

判例上、共有者の一人が無償で住み続けている場合でも、他の共有者は自分の持分割合に応じた賃料相当額(不当利得)を請求できるとされています。「家族なんだから住まわせてあげているだけ」という感覚で放置されがちですが、法的には請求できる権利がある、という点を押さえておくことが重要です。逆に言えば、請求しない限り自動的に支払われるものではないため、権利を主張する意思表示が必要になります。

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請求する方法

まずは話し合いで請求する

最初のステップとして、口頭や書面で「持分割合に応じた使用料を支払ってほしい」と伝えます。感情的な対立を避けるため、まずは冷静に、いくらであれば納得できるかをすり合わせる姿勢が大切です。

内容証明郵便で請求する

話し合いに応じてもらえない場合、内容証明郵便で正式に請求します。いつ・いくらを・どの期間分請求したかを記録に残すことで、後の法的手続きに進む際の証拠になります。

賃料相当額の算定

請求額は、近隣の家賃相場に自分の持分割合をかけて算定するのが一般的です。たとえば近隣相場が月10万円で持分が3分の1であれば、月あたり約3.3万円が目安になります。実際に賃貸に出されて家賃収入がある場合は、その家賃額に持分割合をかけた金額を請求するのが基本です。

状況請求できる内容算定の目安
共有者が無償で居住賃料相当額(不当利得)近隣相場×持分割合
第三者に賃貸し家賃収入あり家賃収入の持分相当額実際の家賃×持分割合

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応じてもらえない場合の法的手段

不当利得返還請求訴訟

内容証明を送っても支払いに応じない場合、裁判所に不当利得の返還を求める訴訟を起こすことができます。過去にさかのぼって請求できる期間には時効(原則10年)があるため、早めの対応が有利になります。訴訟になると弁護士費用や時間もかかるため、金額によっては費用対効果を見極める必要もあります。

共有物分割請求

使用料をめぐる対立が根深く、そもそも共有関係自体を続けたくない場合は、共有物分割請求によって共有関係そのものを解消するという選択肢もあります。売却して代金を分ける「換価分割」であれば、使用料の清算も含めて一括で解決できることがあります。ただし提訴から解決までには時間がかかり、共有者との関係がさらに悪化するリスクもある点は理解しておく必要があります。

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一番シンプルな解決策:自分の持分だけを売却する

使用料の請求や訴訟は、正当な権利ではあるものの、時間・費用・精神的な負担が大きい手段でもあります。相手との関係修復が難しい、これ以上関わりたくないという場合は、共有持分の売却・買取とは?で解説の通り、自分の持分だけを売却することで、使用料の交渉自体から離れるという選択肢もあります。

持分を売却すれば、その後の使用料をめぐるやり取りは、買主となった業者と占有している共有者との間の話になります。「もらえるはずのお金」を追いかけ続ける精神的な負担から解放されたいという方にとって、現実的な解決策になることがあります。

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よくある質問

家族だから請求しにくいのですが、法的に問題ないですか?

問題ありません。家族間であっても、共有持分にもとづく使用料の請求は法的に認められた権利です。感情的な話とは切り離して考えることもできます。

何年前の分までさかのぼって請求できますか?

不当利得返還請求権の消滅時効は原則10年です。ただし証拠が古くなるほど算定が難しくなるため、早めに動くことをおすすめします。

共有者が「出ていけ」と言ってきたらどうすればいいですか?

共有者は持分割合に応じて不動産を使用する権利があるため、他の共有者から一方的に退去を求められる立場にはありません。ただし話し合いがこじれている場合は、専門家に相談しながら対応することをおすすめします。

使用料を請求すると、関係がさらに悪化しませんか?

その可能性はあります。関係悪化を避けたい場合は、請求よりも先に持分の売却を検討するという選択肢も有効です。

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まとめ

共有者に不動産を独占されている、家賃をもらえていないという状況は、我慢して放置する必要のある問題ではありません。持分割合に応じた使用料を請求する権利は法律で認められており、話し合い・内容証明・訴訟といった段階的な手段があります。

一方で、関係修復が難しい場合や、これ以上労力をかけたくない場合は、自分の持分だけを売却して関係を清算するという選択肢も現実的です。まずは自分の状況にどの手段が合うか、専門家に相談してみることをおすすめします。

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