共有名義の不動産、相続を繰り返すとどうなるか|数次相続のリスクを解説

CATEGORY — 相続・空き家

共有名義の不動産、相続を繰り返すとどうなるか

「数次相続」が進むと、共有者は把握できないほど増えていきます

共有名義のまま何もせず放置していると、共有者の一人が亡くなるたびに、その持分がさらに相続されていきます。これを繰り返す「数次相続」が進むと、最終的には誰が共有者なのかすら把握できない状態に陥ることもあります。「実家の名義、そういえばずっと祖父のままかもしれない」という方は、すでにこの問題の入り口に立っている可能性があります。この記事では、数次相続の仕組みと、放置することで起こる問題、そして今からできる対策を解説します。

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数次相続とは

数次相続とは、ある人の相続手続きが終わらないうちに、その相続人の一人が亡くなり、次の相続が発生することです。共有名義の不動産では、名義変更(相続登記)をしないまま放置しているケースが多く、この数次相続が連鎖的に発生しやすい状況にあります。

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具体例:共有者はこう増えていく

祖父が所有していた実家を、父を含む3人の子どもが均等に相続したとします。この時点で共有者は3人です。その後、父が亡くなり、父の持分を母と子ども2人(つまり孫)が相続すると、共有者は父の代わりに3人増え、合計5人になります。これがさらに一世代進むと、共有者は10人を超えることも珍しくありません。しかも、こうした共有者の中には、実家の存在すら知らずに育った人や、一度も顔を合わせたことのない人が含まれることもあります。

世代共有者の状態人数の目安
1代目祖父の子3人で相続3人
2代目1人が死亡し、その配偶者・子2人が相続5人
3代目さらに1〜2人が死亡し、それぞれの相続人が加わる8〜10人以上

世代が進むごとに、面識のない遠い親戚同士が共有者になっていくのが数次相続の怖さです。

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放置するとどうなるか

全員の同意を得ることが事実上不可能になる

不動産の売却や建て替えには共有者全員の同意が必要です。共有者が10人を超え、しかも遠方に住んでいたり、面識がなかったりすると、全員から同意を得ること自体が現実的に困難になっていきます。一人でも連絡が取れない、あるいは非協力的な人がいれば、そこで手続きは止まってしまいます。

相続人の把握コストが増大する

誰が共有者なのかを確定させるだけでも、戸籍謄本を何世代分もさかのぼって取得する必要があり、専門家に依頼しても時間と費用がかかるようになります。相続人の数が多いほど、戸籍の取得先も全国に散らばりやすく、調査だけで数ヶ月かかることもあります。

不動産が塩漬けになる

結果として、誰も活用も処分もできない「塩漬け」の不動産になりやすく、固定資産税や老朽化のリスクだけが積み重なっていきます。全国的に社会問題となっている所有者不明土地の多くも、こうした数次相続が背景にあります。国土交通省の調査でも、所有者不明土地の主な発生原因として相続登記の未了が挙げられています。

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今からできる対策

相続が発生したらすぐに遺産分割協議を行う

相続登記は2024年から義務化されており、正当な理由なく放置すると過料の対象になる場合もあります。相続が発生したら、できるだけ早く遺産分割協議を行い、名義を確定させることが最善の予防策です。「まだ揉めていないから大丈夫」というタイミングこそ、実は最も話し合いをまとめやすい時期でもあります。

代表者に持分を集約する

共有者の一人に持分を集約し、他の相続人には代償金や別の資産で調整する「代償分割」を選ぶことで、共有者が増え続ける連鎖を断ち切ることができます。将来的な管理や処分の窓口が一本化されるため、次世代への引き継ぎもスムーズになります。

自分の持分だけでも先に整理する

全員の合意を待っている間にも、次の相続は容赦なく発生します。共有持分の売却・買取とは?で解説の通り、自分の持分だけであれば、他の共有者の状況に関わらず今すぐ整理することができます。将来さらに共有者が増える前に、自分の分だけでも手放しておくというのも、有効な選択肢の一つです。

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よくある質問

共有者が誰なのか、自分では調べられますか?

戸籍謄本や附票を取得すれば調べることは可能ですが、世代を重ねているほど取得すべき戸籍の数が多くなり、労力がかかります。司法書士などの専門家に依頼するのが現実的です。

相続登記をしないとどうなりますか?

2024年の法改正により相続登記は義務化されており、正当な理由なく3年以内に登記しないと過料の対象になる可能性があります。また、登記をしないまま放置するほど数次相続が進み、権利関係が複雑になります。

共有者の一部が見つからない場合はどうすればいいですか?

不在者財産管理人の選任など法的な手続きが必要になります。まずは戸籍調査で判明する範囲を確認し、専門家に今後の進め方を相談することをおすすめします。

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まとめ

共有名義の不動産を放置すると、相続のたびに共有者が増え続け、いずれ収拾がつかなくなる「数次相続」のリスクがあります。早期の遺産分割や代表者への集約が理想的な対策ですが、それが難しい場合でも、自分の持分だけを先に整理しておくことで、次の世代に問題を先送りせずに済みます。

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