CATEGORY — 法律・登記・税金
共有持分に抵当権や差押えが付いている場合の影響と対処法
登記簿でわかる、持分のリスクの見極め方
共有名義の不動産では、共有者の一人が自分の持分を担保にお金を借りたり、借金の返済が滞って持分を差し押さえられたりすることがあります。こうした状況は、他の共有者にとって大きなリスクになり得ます。本記事では、共有持分に抵当権や差押えが付いている場合の影響と、確認方法、対処法を解説します。
抵当権・差押えとは
抵当権とは、借入金が返せなくなったときに、貸した側が担保となった不動産を競売にかけて、貸したお金を回収できる権利です。共有持分も、各共有者が単独で抵当権を設定できます。一方、差押えは、債権者が裁判所の手続きによって、債務者の財産を処分できないようにする措置です。いずれも、対象となるのは、借りた本人の持分に限られます。
登記簿での確認方法
| 権利 | 登記される場所 | 見分け方 |
|---|---|---|
| 抵当権 | 乙区 | 「抵当権設定」と記載され、債権額や債務者が示される |
| 差押え | 甲区 | 「差押」と記載され、債権者や登記日が示される |
登記事項証明書では、「どの共有者の持分に」権利が付いているのかも確認できます。共有名義の不動産を扱う際は、まず登記簿で状況を確認することが基本です。
他の共有者への影響
共有者の一人の持分が競売にかけられると、落札した第三者が新たな共有者として加わります。見知らぬ人と共有関係を持つことになり、不動産の管理や売却の話し合いが難しくなる可能性があります。ただし、競売の対象は借りた本人の持分に限られるため、自分の持分が直接失われることはありません。
自分の持分に抵当権が付いている場合
- 売却する場合は、決済時に借入金を返済し、抵当権を抹消するのが通常
- 売却代金より借入金が多いと、差額の調整が必要になる
- 金融機関の承諾や、抹消書類の準備が必要になる
- 事前に、残債や担保の状況を整理しておく
抵当権が付いたままの持分は、買い手にとってもリスクが大きく、条件が厳しくなりやすい点に注意が必要です。
持分の権利関係が複雑な場合も、
LINEで気軽にご相談ください。
他の共有者の持分に差押えがある場合
他の共有者の持分が差し押さえられている場合、その共有者の協力を得ることが難しくなります。不動産全体の売却には共有者全員の同意が必要ですが、差押えがあると手続きが進みません。この場合でも、自分の持分だけであれば、単独で売却できます。共有関係から離れたい場合は、持分売却を検討するとよいでしょう。
よくある質問
他の共有者の持分に抵当権が付いていると、自分の持分にも影響しますか?
抵当権は設定した共有者の持分だけを対象にするため、自分の持分には直接影響しません。ただし、競売によって見知らぬ第三者が共有者になる可能性はあります。
抵当権が付いたままの持分は売却できますか?
売却自体は可能ですが、通常は決済のときに、売却代金で借入金を返済し、抵当権を抹消する流れになります。残債が持分の価値を上回る場合は、別途の調整が必要です。
差押えが登記されている持分は売れますか?
差押えが付いたままでは、原則として売却が難しくなります。差押えの解除や、債権者との調整が前提になるため、早めに専門家へ相談しましょう。
共有者の持分に差押えがあるかどうかは、どう調べますか?
法務局で登記事項証明書を取得すれば、甲区・乙区の記載から確認できます。インターネットで取得する方法もあります。
まとめ:まず登記簿を確認し、自分の持分を軸に判断する
共有持分の売却・買取とは?で解説しているとおり、共有持分は共有者ごとに独立して処分できる財産です。抵当権や差押えは、対象となる持分にしか及びません。まず登記簿で状況を確認し、自分の持分をどうするかを決めましょう。
