CATEGORY — Q&A
共有者との関係にまつわるよくある質問まとめ(応用編)
認知症・破産・持分売却など、特殊な事情があるケース
共有者トラブルの中には、単純な連絡不通や使用方法をめぐる対立だけでなく、認知症や自己破産、持分の無断売却といった、やや特殊な事情が絡むケースもあります。この記事では、こうした応用的なケースについて寄せられた質問をQ&A形式でまとめて解説します。
判断能力・意思確認に関する質問
共有者が認知症で意思確認ができない場合、不動産全体の売却はできますか?
家庭裁判所で成年後見人を選任すれば、本人に代わって売却の同意を行うことができます。ただし、居住用不動産の場合は別途裁判所の許可が必要になるなど、手続きには数ヶ月単位の時間がかかることが多く、申立てから後見人選任までの間は不動産全体の売却を進めることができません。
成年後見制度を使わずに自分の持分だけを整理する方法はありますか?
あります。共有持分は他の共有者の判断能力にかかわらず、自分の意思だけで単独で売却することができます。不動産全体の売却には他の共有者全員の同意が必要ですが、自分の持分だけを手放す場合は、認知症の共有者の同意や後見人の選任を待つ必要がありません。
成年後見人が選任されるまでの間、認知症の共有者の分の固定資産税はどうなりますか?
納税義務自体は本人に残り続けるため、代わりに他の共有者が立て替えて納付し、後から成年後見人に対して求償することになるケースが多く見られます。
破産・経済状況に関する質問
共有者が自己破産すると、自分の共有持分にも影響がありますか?
自分自身の持分が処分されることはありません。ただし、破産した共有者の持分は破産財団に組み込まれ、破産管財人の管理下に置かれるため、今後の話し合いの相手が破産管財人に変わることになります。
破産管財人から持分の買取りを打診された場合、断ってもいいですか?
応じる義務はなく、断ることも可能です。断った場合、破産管財人は第三者への売却を進めることになりますが、価格面での交渉には余地があることも多いため、一度は条件を確認してみる価値はあります。
持分の売却・第三者の参入に関する質問
共有者が自分の持分を勝手に第三者へ売却するのを止められますか?
止めることはできません。共有持分は各共有者が単独で処分できる権利であり、他の共有者の同意は不要とされています。
見知らぬ買取業者が新たな共有者になった場合、どう対応すればいいですか?
すぐに不動産全体の売却を迫られるわけではありません。まずは落ち着いて相手の提案内容を確認し、必要であれば専門家に相談しながら対応を検討しましょう。
自分も持分を売却すれば、今後の共有者トラブルから解放されますか?
はい。自分の共有持分を売却して共有関係から離脱すれば、それ以降の共有者間の話し合いや負担に関わる必要がなくなります。
特殊な事情を抱えた共有名義不動産のご相談も
LINEで無料相談を受け付けています。
費用負担をめぐる質問
固定資産税を立て替え続けていますが、相手が払ってくれません。どうすればいいですか?
立て替えた分を請求する権利(求償権)があります。話し合いで解決しない場合は法的手続きも検討できますが、繰り返される負担から解放されたい場合は持分の売却も選択肢です。
共有者の一人が修繕費の負担を拒否しています。対応方法はありますか?
修繕費は持分割合に応じて負担するのが原則です。話し合いで解決しない場合、保存行為として自分の判断で最低限の修繕を進め、後から他の共有者に費用を請求することも可能です。
持分の相続・名義変更に関する質問
共有者の一人が亡くなった場合、その持分は誰が引き継ぎますか?
その共有者の相続人が、相続分に応じて持分を引き継ぎます。相続人が複数いる場合、亡くなった方の持分がさらに細分化され、共有者の数が増えてしまうことも少なくありません。
相続で共有者が増えすぎてしまった場合、整理する方法はありますか?
自分の持分を売却して共有関係から離脱する方法に加え、他の共有者の持分を買い取って単独所有に近づける方法もあります。共有者が多くなるほど合意形成が難しくなるため、早めの整理をおすすめします。
まとめ:複雑な事情があっても自分の持分は守れる
共有持分の売却・買取とは?で解説しているとおり、共有者が認知症、破産、連絡不通など、どのような状況にあっても、自分自身の共有持分については、単独で売却という形で整理することができます。複雑な事情を抱えたまま不動産全体の解決を待ち続けるよりも、まずは自分の持分をどうしたいかを整理することから始めてみることをおすすめします。
